月々の支払い負担を軽減できる自動車ローンは大変便利です。しかし、車の購入や維持には多くのお金がかかり、減収や病気などをきっかけにローンの返済を滞納してしまう人も多いのが現状です。

ローンの支払いが滞ると督促を経て最終的には車を引き上げられてしまうだけでなくさまざまなペナルティを科されてしまいますので、楽観視してはいけません。

こちらの記事では、自動車ローンが返済できないとどうなるのか、支払えない時の有効な対処法をまとめました。

自動車ローンを支払えないと車を引き上げられてしまう

車のローンを返済できなくなると、最終的に車を引き上げられてしまいます

ただし、支払期限を数日過ぎたからといってすぐに引き上げられてしまうわけではありません。通常、何度か督促が行われ、それでも支払わなかった場合に予告されたうえで引き上げが行われます。

多くの場合始めの支払期限から1か月半~3か月程度で引き上げが実行されますが、数日間の滞納でもペナルティが発生しますので少しくらい大丈夫と甘く考えずに早めに対処することが大切です。

自動車ローンが払えないと生じる5つの影響

自動車ローンの返済が滞るとさまざまな影響があります。

延滞金が発生する

支払期限の翌日から滞納分を支払うまで延滞金が発生します。

自動車ローンの場合、通常14%~20%の利率で延滞金が計算されます。

延滞金(利率14.0%)の計算方法

  • ローン残高100万円、15日間延滞した場合

100万円×利率 14.0%÷365日×15日間=延滞金 5,753円

  • ローン残高100万円、30日間延滞した場合

100万円×利率 14.0%÷365日×30日間=延滞金 11,506円

 

延滞金は日割りで計算されますので、滞納期間が長引くほど高くなります。一日あたりの延滞金はそれほど大きくなくても、滞納期間が一か月程度になると遅延損害金の総額が大きくなりますので注意しましょう。

連帯保証人に迷惑がかかる

自動車ローンを組む際に連帯保証人を立てている場合、ローン返済を滞納するとローン会社から連帯保証人へ請求が行われるため連帯保証人になってくれた人に迷惑をかけてしまいます。

連帯保証人はローンを申し込んだ本人と同様に返済する義務を負うため、契約した本人が返済できなくなった場合、債権者は直接連帯保証人に一括返済を要求します。連帯保証人が返済できない場合は、連帯保証人の信用情報に傷がついてしまいます。

車を引き上げられてしまう

ディーラーでローンを組んでいるなど車の所有権留保がついている場合は、滞納が続くと最終的に車を引き上げられてしまいます

また、銀行のローンなど車の所有権留保がついていないケースでは、車の所有権は借り手にありますので車の引き上げは行われません。しかし、ローン返済を滞納し続けると一括返済を求められてしまい、返済できない場合は最終的に財産を差し押さえられてしまいますので結局は車を失うことになってしまいます。

信用情報に傷が付きブラックリスト入りしてしまう

数日の延滞ならば影響はありませんが、始めの支払期限を2か月ほど経過すると信用情報に長期延滞として登録されます

事故情報が登録されるといわゆるブラックリスト入りしローンを返さない人として各金融業者に情報を共有されてしまいますので、今後クレジットカードが作れない、各種ローンが組めないなどさまざまな制約ができてしまいます。

裁判になる可能性がある

督促状が届いているのに無視したり車の引き上げを拒否したりすると裁判に発展するケースもあります

業者が裁判所督促申立書を提出すると裁判所から強制執行手続きが行われ、まずは車が差し押さえられ、それでも残金の返済に不足する場合は財産の差し押さえが行われます。給与の差し押さえとなると勤務先にも知られてしまいます。

延滞から車の引き上げまでの流れ

車の所有権留保がついているディーラーローンを利用している場合、自動車ローンの支払い滞納から車が引き上げられてしまうまでの流れは次の通りです。

<始めの支払期限の翌日>滞納発生

・期日までに支払いがないと滞納状態となる
・督促費用(200円程度)、遅延損害金が発生する

<支払期日から数日>督促状が届く

・支払いを促す督促状が郵送で届く
・再引き落とし日が設定される

<支払期日の約2週間後(再引き落とし日)>督促の電話がかかってくる

・再引き落とし日も延滞すると直接支払いを催促する電話がかかってくる
・連絡が取れないと勤務先に電話がかかってくることもある

<支払期日の約3週間後(再々引き落とし日)>車の引き上げについて説明される

・再々引き落とし日も延滞すると支払意思がないとみなされる
・車の引き上げについての説明がある

<支払期日の1か月後(翌月の引き落とし日)>車の引き上げ日を約束する

・車の引き上げ日を具体的に決定する

<支払期日の約1か月半~3か月後>車の引き上げが実行される

・契約者立会いのもとで車の引き上げが実行される
・この日までに滞納分を全額支払えば、引き上げを中止してもらうこともできる

<車の引き上げから数日後>車が売却される
・売却前ならば滞納分を全額支払えば車を返してもらえる可能性もある

・この日までに支払わないと車は売却される
・信用情報に”延滞”として事故情報が登録される

車の引き上げ日は契約者の都合を考慮して決定される
車の引き上げは原則として契約者の立ち合いが必要なため、引き上げの具体的な日にちは契約者の都合も考慮して決定されます。
仕事に行って帰宅したら引き上げられていたということはありません。
車の売却価格によっては引き上げ後も支払いが続く
もともとのローン残高から売却額を引いてもローン残高がゼロにならない場合は、引き続き支払いを継続しなくてはいけません。
売却額の方が高い場合は精算され返金されます。

自動車ローンの支払が厳しい時の6つの対処法

車のローンを滞納しそうな時、あるいはすでに滞納してしまっている場合、滞納状態を避けるための6つの対処法をご紹介します。

ローン会社に相談する

ローンの支払いが厳しい時に最も避けたい対処法は放置することです。督促状や電話を無視していても遅延損害金が膨らむだけで何も解決しませんし支払う意思のない悪質なケースとみなされてしまいます。

支払いが厳しくなったら必ずローンを組んだローン会社に相談してください。次のような対応をしてもらえる可能性があります。

  • 一時的に返済額を減額してもらう
  • 約束した期日まで支払いを待ってもらう

 

自動車ローンでは原則として返済期間の延長が禁止されていますが、災害や収入減少・病気など理由によっては相談にのってもらえますので、必ず早めに相談しましょう。

家族に相談する

配偶者や親など家族に相談すると少しの間お金を借りられるかもしれません。家族からの借入であれば通常利息を支払う必要もありませんし、事情を説明すれば理解してくれるでしょう。

借りる際は返済日を取り決め、決めた返済期日を必ず守ってください。いくら家族でも約束通り返済できないと次の機会には借りられなくなってしまいます。

ローンを借り換える

現在利用しているローンを他社に借り換えると、返済期間が延長されたり低金利で利用できたりするため月々の返済負担の軽減が可能です。

返済期間が長くなると最終的には総支払利息が多くなってしまいますが、今は厳しくても余裕のある月に繰り上げ返済をすれば利息の節約につながります。

ただし、すでに数日間でも滞納している方は借り換え先の審査に通らない可能性が高いため、借り換えができるタイミングは遅延する前までと覚えておきましょう。

借り換える際は利用できる自動車ローンをできるだけ多く比較し、今よりも負担なく返済できるローンはどれかよく検討しましょう。

借り換えにおすすめの自動車ローン

  • 住信SBIネット銀行 Mr.自動車ローン

 年1.775%~3.975%の低金利で、繰り上げ返済何度でも手数料無料

  • 三菱東京UFJ銀行ネットDEマイカーローン

 事前審査結果即日回答、借り換えにも柔軟に対応

車を売却する

今後ローンの支払いが厳しい状態が続く見込みならば思い切って車を売却する方法も考えましょう。

中古車を売却する際は売却先によって価格にばらつきがありますが、乗れば乗るほど車の価値が下がる点は共通しています。そのため、車を売却してローンの返済に充てるならば一日でも早い方がいいです。

ただし、ディーラー系のローンを利用している場合は、車の所有権はディーラーにありますので勝手に車を売却することはできません。ディーラーに車を引き上げられてから売却という流れになります。

車を売却してもローンが残った場合は返済を続けなくてはいけませんが、車を売却後に余裕ができたら中古車への乗り換えを検討しても良いかもしれません。

カードローンでお金を借りる

一時的に出費が続いた影響でローンの支払いができない人や、次の給料日には支払いできる見込みの人はカードローンでお金を借りて自動車ローンの支払いをする方法も有効です。

カードローンは自動車ローンとは異なり少額の融資ですので、審査時間も短く手軽に利用できるローンです。

約14.0%~18.0%程度の金利がつきますが大手消費者金融ならば30日間無利息で借りられる業者もあり、無利息期間中に返済すれば利息負担はゼロですので一時的な借入には大変便利です。

消費者金融 金利 無利息期間・条件
プロミス 4.5~17.8%

2つの条件を満たす場合、初回借り入れ日の翌日から30日間無利息

  • プロミスを初めて利用する人
  • メールアドレスを登録し、Web明細を利用する人
アコム 3.0~18.0%

アコムで初めて契約する人は、契約の翌日から30日間無利息

アイフル 3.0~18.0% アイフルで初めて契約する人は、契約の翌日から30日間無利息

ただし、継続的に困窮している人や返済できる見込みがない人は借金が増えてしまうだけですのでカードローンの利用はおすすめしません。きちんと返済計画を立てたうえで利用してください。

債務整理をする

自動車ローンの支払いができず車を手放しても返済できそうにない場合は最終手段として債務整理を検討してください。

債務整理をすると各ローンの残額が帳消しになったり、月々の返済負担を大幅に減らしたりすることも可能です。しかし、車や不動産などの財産を手放して返済に充てる必要があります。

さらに、信用情報に登録され今後ローン契約やクレジットカードの新規作成ができなくなりますが、永遠に続くわけではありません。事故情報登録期間は任意整理で5年間、個人再生・自己破産で10年間です。法テラスなど無料で相談に乗ってくれる機関もありますので、検討してみましょう。

滞納しない自動車ローンの組み方とは

高額な購入費用の支払いを月々に分散できるカーローンは大変便利な仕組みですが、ローン契約の際に無理をすると後々支払いが負担となってしまいます。

返済ができず滞納することがないよう自動車ローンの組み方のコツをご紹介します。

シミュレーションを利用して返済可能なローンを組む

車のローンが支払えない状況をつくらないためには、ローンを組む前に月々の収入と支出をしっかりと把握することが大切です。

毎月3万円くらいなら返せるだろうとなんとなく組んだものの、月々の支出を見直してみるとマイナスになってしまうケースもあります。家計簿をつけていなくても銀行通帳を見返すだけで残高の推移を把握できますので、ローン契約の前に確認してください。

各ローン会社は返済シミュレーションを提供していますので、契約する前に月々の支払額や完済までの期間を確認するために活用しましょう。いくつかのローンの比較も効果的です。

ボーナス払いは設定しない

年2回のボーナス払いを設定するとより高額のローンを組むことができますが、ボーナス払いを設定しないほうがローンの滞納リスクが少なくなります。

なぜならば、ボーナスは毎回期待通りに支給されるとは限らず、ボーナスをあてにしていると支払いに困るケースが多いからです。

そのため、ボーナス払いは設定せずにボーナスが支給された際は繰り上げ返済に充てることをおすすめします。

車の維持費を考慮してローンを組む

車のローンを組む際は維持費も考慮して組みましょう。

車体の価格も高額ですが、車の維持にもそれなりにお金がかかります。中でも燃料代が占める割合は大きいため、燃費の悪い車には注意が必要です。

車の維持費は、自動車税・重量税・保険・車検・オイルなど消耗品の交換・燃料費を合わせるとコンパクトカーで年間約40万円、軽自動車でも約35万円と言われています。月々3万円強の維持費がかかることになりますので、ローンを組む時には車体代にプラスして3万円程度の出費があることを忘れないようにしましょう。

残価設定型ローンも検討を
残価設定型ローンを利用すると月々の負担を軽減できる可能性があります。
残価設定型ローンは3~5年度に車を買い替えることを前提にローンを組む方法で、現在の車両代から3~5年後の売却査定価格を引いた額でローンを組みますので返済額を抑えることができます。
ただし、売却する際に走行距離が予測を大きく上回っていたら買取価格が減ってしまいますし、売却をやめる場合には追加で残価を支払う必要があります。

車のローンは滞納する前に相談を

車のローンが払えない時の対応についてご紹介しました。

支払いが厳しい場合は、厳しいとわかった時点で早めにローン会社に相談することが大切です。滞納する前であれば返済額の一時的な減額や支払い期限の延期に応じてもらえる可能性があります。督促に応じずに無視すると車を手放すことになってしまいますので、必ずアクションを起こしましょう。

滞納の危機に陥らないためにも、現実的に返済できる範囲でローンを組むよう心がけましょう。