年金を受給している方が冠婚葬祭が重なったり旅行などで出費が多くなったりして、お金を借りたいと考えることもあるでしょう。

年金受給者でも国の制度やカードローンを利用してお金を借りることができますが、国の制度だと借入の目的や世帯収入などによっては申込対象外となる可能性もあるので注意してください。
一方、カードローンでは借入金の使い道は自由なものの、アルバイトや自営などをしていて年金以外の収入があるのか、年金収入しかないのかによって申込先や審査の難易度が変わります。

結論から言うと、年金受給者がお金を借りるなら年金を担保にできる年金担保貸付制度が利用しやすく、利息も少ないメリットがあります。
当ページでは年金受給者が利用できる借入方法や、年金担保貸付制度の申込方法などについて解説していきます。

年金受給者がお金を借りる4つの方法

年金受給者がお金を借りる方法として挙げられるのが、年金担保貸付融資制度、生活福祉資金貸付制度、カードローン、ゆうちょ銀行の貯金担保自動貸付の4通りです。

年金担保貸付融資制度を利用する

年金担保貸付融資制度は、年金を担保として融資することが法律で唯一認められた制度で、独立行政法人福祉医療機構が実施しています。
簡単に言うと年金を前借りするような仕組みになっています。
利用できる対象者は以下の年金証書を持っていて、現在その年金の支払いを受けている方となります。

  • 国民年金
  • 厚生年金保険年金証書
  • 国民年金証書
  • 厚生年金保険証書

また、申込するにあたって連帯保証人が必要ですが、連帯保証人を付けられない場合は保証料を支払えば信用保証機関が保証をしてくれます。
万が一返済中に契約者が死亡してしまうと残りの借入金は連帯保証人が支払うことになるので、家族に負担をかけたくないなら信用保証機関に依頼をしたほうが良いでしょう。
なお、融資額は以下3つの要件を満たす金額の範囲内となります。

  • 10万円~200万円の範囲内(資金使途が生活必需物品の購入の場合は10万円~80万円)
  • 受給している年金の年額0.8倍以内
  • 1回あたりの定額返済額の15倍以内

福祉医療機構の公式サイトに融資限度額の目安が計算できるシミュレーションがあるので是非活用してください。
参照:融資限度額計算シミュレーション(https://www.wam.go.jp/hp/guide-nenkin-penshimulator-tabid-2213/)

年金担保貸付制度を利用して借入金の残高があるうちは追加借入はできませんが、非常に低金利なのが魅力で令和2年6月現在の金利は年2.8%となります。

ただし、生活保護を受けていたり、現況届または定期報告書が未提出または提出が遅れていたりする場合などは年金担保貸付制度を利用できないので注意しましょう。
また、年金担保貸付を利用すると返済が終わるまで年金の一部を受け取ることができなくなるので、本当に借入が必要か、返済期間中の生活に支障がないかなどを考えたうえで申込してください。

年金担保貸付融資は令和4年3月末で新規申込を終了する

年金担保貸付制度は厚生労働省から令和4年3月末の予定で申込受付を終了するという方針を示されたため、令和4年3月末に新規受付を終了することになりました。
ただし、令和4年3月末までに申し込みを受け付けた年金担保貸付については返済期間や返済方法もこれまで通りの内容となりますので、令和4年3月末時点で残っている借入額を一括返済する必要はありません。

新規貸付終了に伴う代替措置として、一定の審査要件を満たす方は社会福祉協議会が実施する生活福祉資金貸付制度を利用できます。
また、家計に関する支援が必要な方は在住地域の自立相談支援機関に相談してみましょう。

生活福祉資金貸付制度を利用する

生活福祉資金貸付制度は、市町村民税非課税程度の低所得者世帯、65歳以上の高齢者が属する高齢者世帯、障害者手帳などの交付を受けた人が属する障害者世帯を対象に資金の貸付けを行う制度です。
各都道府県の社会福祉協議会が実施していますが、管轄は厚生労働省となります。

生活福祉資金貸付制度は、総合支援資金、福祉資金、教育支援資金、不動産担保型生活資金の4つに大きく分かれていて、そこからさらにお金を借りる目的ごとに細分化されています。
そのためお金を借りる理由や世帯構成などによりどの資金援助を受けられるかが異なります。

保証人を付ければ無利息でお金を借りることができ、保証人がいなくても年1.5%と非常に低金利で融資を受けられるのがメリットです。
なお、教育支援資金は学生に向けた支援制度のため当ページでは解説を省きます。

総合支援資金

総合支援資金は収入減少や失業などが原因で一時的に生活が困窮している世帯に向けた支援制度で、資金の借入目的によって生活支援費、住宅入居費、一時生活再建費の3種類に分けられています。

生活再建までの間に必要な生活費用を借りたいなら生活支援費、敷金や礼金など住宅の賃貸契約を結ぶために必要な費用を借りたいなら住宅入居費制度、生活を再建するために日常の生活費で賄うことが困難な費用を借りたいなら一時生活再建費を利用できます。
生活支援費は住宅入居費、一時生活再建費と併用して借りることもできます。

貸付限度額は生活支援費が月20万円以内(単身世帯は月15万円以内)で原則3ヵ月間、住宅入居費が40万円以内、一時生活再建費が60万円以内です。

なお、現在は新型コロナウイルスの影響を受け失業もしくは収入減少した方向けに生活支援費の特例貸付を実施しており、総合支援資金の貸付条件が一時的に柔軟な内容に変更されています。
通常は生活支援費の対象は低所得世帯に限定されていますが、新型コロナウイルスの影響により収入が減少したり失業したりして生活に困窮している世帯も借り入れができるようになりました。
さらに据置期間が最終貸付日から6ヵ月以内のところ1年以内へ拡大され、保証人がいなくても無利息で借りられるようになっています。

福祉資金

福祉資金は低所得世帯、障害者がいる世帯や日常生活をする上で療養または介護を必要とする高齢者のいる世帯に向けた支援制度で、資金の借入目的によって福祉費と緊急小口資金貸付の2種類に分類されています。

福祉費は生業を営むための経費や福祉用具等の購入、冠婚葬祭の費用など幅広い目的で利用することができ、貸付限度額は最大580万円までと高額なのが特徴です。

一方、緊急小口資金貸付は緊急かつ一時的に生計の維持が困難となった場合に利用できる制度で、貸付限度額は10万円以内と少額です。
緊急小口資金貸付は保証人不要なうえ無利息で借りることができ、申込から融資を受けられるまでが最短5営業日と比較的スムーズなのが嬉しいです。

なお、新型コロナウイルスの影響を受け、緊急小口資金貸付でも特例貸付を実施しています。
通常は低所得世帯、障害者がいる世帯や日常生活をする上で療養または介護を必要とする高齢者のいる世帯を対象としていますが、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて休業等による収入の減少があった世帯でも緊急小口資金貸付を利用できるようになりました。
また、貸付限度額は10万円以内のところ4人以上の世帯や学校等の休校措置により休業した方がいる世帯などは20万円まで拡大されています。
さらに据置期間も貸付けの日から2ヵ月以内でしたが1年以内へ拡大、返済期限も据置期間経過後1年以内から2年以内へ拡大されました。

不動産担保型生活資金

不動産担保型生活資金は一定の居住用不動産を担保として、低所得の高齢者世帯が生活資金を借りることができる制度です。
自宅を手放すことなくお金を借りることができ、毎月の返済をせずに済むメリットがあります。
ただし、借り入れた本人が死亡した際には担保にした不動産が売却されてしまうことを理解しておきましょう。

また、不動産担保型生活資金は不動産の鑑定や審査、登記など様々な手続きが必要なので申し込みから融資実行まで3ケ月程度かかる点に注意してください。

不動産担保型生活資金の貸付限度額は土地の評価額の70%程度、月30万円以内で、金利は年3%または長期プライムレートのいずれか低い利率が適用されます。
不動産担保型生活資金を利用するには保証人が必要で推定相続人の中から選任しなければなりません。

生活保護をすでに受けている、もしくは生活保護が必要となる高齢者世帯は、保護の実施機関にて要保護であることが認められれば要保護世帯向け不動産担保型生活資金を利用できます。
生活保護よりも不動産担保型生活資金が優先されます。
要保護世帯向け不動産担保型生活資金は貸付限度額が土地および建物の評価額の70%程度(集合住宅の場
合は50%)、生活扶助額の1.5倍以内で、金利は年3%または長期プライムレートのいずれか低い利率となります。
なお、保証人は不要です。

カードローンを利用する

年金受給者でも銀行やカードローンを利用してお金を借りることができます。
ただし、年金収入のみで申込できるカードローンは限られていますし審査通過が厳しくなるため、アルバイトやパートなどをしていて年金以外に安定した収入があると利用できるカードローンの幅が広がります。
カードローンのメリットは国の融資制度よりも短期間で借入ができる点です。
年金担保貸付融資制度や生活福祉資金貸付制度は融資実行までに約1ヵ月かかりますが、銀行カードローンでは申込後1~2週間、消費者金融なら即日融資が可能です。

消費者金融系

消費者金融系のカードローンは原則として年金しか収入がない場合は申込ができません。
なぜなら、消費者金融は貸金業法の総量規制の対象となり、年収の3分の1までしか貸付をしてはならないという決まりがあります。
つまり、年金を受給していても働いていない場合は年収が0円となるため、貸付可能な金額も0円とされてしまうわけです。

しかし、レイクALSAではお借入診断のページに「お勤めをされていない、年金受給者の方は、1年間の年金受給額をご入力ください。」との記載がされているため、年金収入のみでも借入ができる可能性が高いです。
ただし、レイクALSAは申込可能年齢の上限が満70歳までとされているので注意しましょう。
利用中に満71歳を迎えた時点で新たな借入ができなくなります。

レイクALSAの融資可能額は500万円まで、金利は年4.5%~18.0%となるため国の融資制度に比べると利息が大きくなりますが、レイクALSAでは無利息サービスを実施しているのが魅力です。
無利息サービスはレイクALSAでの契約が初めての方が対象で、借入金額が200万円までなら契約翌日から最大60日間、借入金額が200万円超なら最大30日間が無利息期間となります。
無利息期間内なら一切利息が発生しないのでお得です。
さらにレイクALSAは申込から最短60分で融資可能なので、急ぎでお金が必要な場合にもおすすめです。

銀行系

銀行カードローンは銀行法が適用され総量規制の対象外となるため、年金収入しかない場合でも利用できるケースが多いですが、申込可能年齢が満65歳までに設定されていることもあるため注意が必要です。
しかし、三井住友銀行カードローンなら満69歳以下まで申込することができ、金利も4.0~14.5%と低めです。
さらに三井住友銀行ATMや提携ATMでの取引が手数料無料だったり、三井住友銀行の口座を保有していなくても申込できたりするのも魅力と言えます。

銀行カードローンは反社会的勢力への貸付を防ぐ目的で審査時に警視庁データベースへの照会をするため時間がかかり、最短でも翌営業日にしか審査結果が分かりません。
しかし消費者金融よりも低い金利で借入ができるメリットがあるため、お金を借りるまでに数日待つ余裕があるのであれば銀行カードローンの利用を検討しましょう。

ゆうちょ銀行の貯金担保自動貸付を利用する

年金収入しかない場合でも、ゆうちょ銀行の口座を保有していて担保定額貯金や担保定期貯金に預け入れがあれば、貯金担保自動貸付を利用してお金を借りることができます。
貯金担保自動貸付を申し込むと、預金残高を超える引き出しを行った際にも不足分が自動的に貸付られます。
なお、借入した金額は総合口座通帳の残高欄にマイナスで表示されるのでいくら借入しているかも明確です。

貯金担保自動貸付の貸付金額の上限は預入金額の90%以内かつ1冊の総合口座通帳につき300万円までとなり、貸付期間内であれば返済回数および1回あたりの返済金額は無制限です。
つまり、カードローンと違い毎月の返済期日や約定返済額も設けられていないので、お金に余裕があるタイミングで好きな金額を返すことができるというわけです。

また、非常に低金利で担保定額貯金を担保とする場合は返済時の約定金利(%)+0.25%、担保定期貯金を担保とする場合は預入時の約定金利(%)+0.5%で借入できます。
約定金利は0.01%前後である場合が多いので、いずれにしても1%未満の金利で借入ができます。

さらに審査が不要なうえ年齢の制限もありませんので、年金しか収入がなくカードローンの審査に不安がある場合やカードローンの年齢制限に引っかかってしまう場合にもおすすめです。

もっとも利用しやすいのは年金担保貸付制度

年金受給者でも前述した4通りの方法でお金を借りることができますが、生活福祉資金貸付制度、カードローン、ゆうちょ銀行の貯金担保自動貸付は申込条件に該当しなかったり審査に不安があったりする方も多いでしょうから、年金受給者が最も利用しやすいのが年金担保貸付制度だと言えます。
年金担保貸付制度なら対象の年金証書を持っていて、なおかつその年金の支払いを受けている方なら申込できますし、連帯保証人がいなくても信用保証機関へ依頼することができます。
ただし、年金担保貸付制度で実際に融資を受けられるまでは約1ヵ月かかるため、少しの間待つ余裕があるなら年金担保貸付制度を利用することを検討しましょう。

年金担保貸付制度の手続きの流れ

年金担保貸付制度を利用する際の手続きの流れをまとめました。

    1. 独立行政法人福祉医療機構年金貸付課または取扱金融機関に 相談する
    2. 取扱金融機関にて申込手続きを行う
    3. 福祉医療機構において審査を行う
    4. 取扱金融機関より申込者本人あてに審査結果の連絡がくる
    5. 融資実行日に申込者が指定した預金口座へ振込

申込手続きができるのは「独立行政法人福祉医療機構代理店」と表示された金融機関に限り、ゆうちょ銀行、農協、労働金庫は年金担保貸付の取扱を行っていないので注意しましょう。

また、申込の際に必要なものはこちらです。

  • 取扱金融機関にて用意されている借入申込書
  • 年金証書
  • 現在の年金支給額を証明する書類
  • 実印および印鑑登録証明書
  • 本人確認書類
  • 資金使途の確認資料

なお、連帯保証人をたてる場合は、連帯保証人の実印や本人確認書類、申込者との続柄が分かる書類、収入証明書も必要となり、連帯保証人も借入申込者と一緒に来店しなければなりません。

年金担保貸付制度の返済方法

年金担保貸付制度では独立行政法人福祉医療機構が申込者の年金を年金支給機関から直接受け取るため、年金支給機関から偶数月に支給される年金のうち申込者が指定した額(1万円単位)を返済に充てることになります。
年金支給額から定額返済額を差し引いた金額は、返済剰余金として申込者の指定した預金口座に振り込まれます。

申込者は自身で返済手続きをする手間がかかりませんし、返済をし忘れてしまう心配もありません。

なお、定額返済額の上限は1回あたりの年金支給額の3分の1以下で、下限は1万円です。

シチュエーション別におすすめの借入方法を解説

年金受給者がお金を借りる際におすすめの方法を、急ぎで借りたい、利息は少ない方が良い、家族に知られたくないというニーズ別にまとめたので参考にしてください。

急ぎでお金を借りたい場合

1ヵ月も待つ余裕がなくとにかく急ぎでお金を借りたい場合には、カードローンもしくは生活福祉資金貸付制度の緊急小口資金貸付、ゆうちょ銀行の貯金担保自動貸付の利用を検討しましょう。

低所得世帯、障害者がいる世帯や日常生活をする上で療養または介護を必要とする高齢者のいる世帯、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて休業等による収入の減少があった世帯で、少額の借入で良い場合は無利息で借りられる緊急小口資金貸付がおすすめです。

緊急小口資金貸付の対象とならない方で、ゆうちょ銀行の口座を保有していて担保定額貯金や担保定期貯金に預け入れがある場合はゆうちょ銀行の貯金担保自動貸付が最適です。

緊急小口資金貸付の対象とならない方、ゆうちょ銀行の貯金担保自動貸付を利用できない方、多額の融資が必要な方は消費者金融より低金利な銀行カードローンを検討すると良いでしょう。
なお、即日融資が必要なほど急を要する場合は消費者金融一択となります。

とにかく利息が少ない方法で借りたい

利息の負担がかからない方法でお金を借りたいという場合には、年金担保貸付制度、生活福祉資金貸付制度、ゆうちょ銀行の貯金担保自動貸付が候補に挙がります。

特に金利が低いのはゆうちょ銀行の貯金担保自動貸付で年1%未満となります。
次いで生活福祉資金貸付制度、年金担保貸付制度の順に金利が低くなっています。

しかし金利が高めのカードローンでも、消費者金融では無利息サービスを実施している場合もあるため、無利息期間内に完済できれば利息は一切かかりません。
特にレイクALSAの無利息期間は他社よりも長めで、借入金額が200万円までなら契約翌日から60日間もしくは借入れ額のうち5万円まで180日間無利息のどちらかが選択できます。
借入金額が200万円超でも30日間は無利息です。
無利息期間内に完済できる予定ならば、レイクALSAを利用することも検討してみましょう。

家族には知られずに借りたい

お金を借りることを配偶者やお子さんなど家族に知られたくない場合は、保証人が不要の借入方法を選べば基本的には家族に内緒で借入することができます。
しかし、契約書類などが自宅に届くことが原因で家族に知られてしまう危険があるので、契約書類を発行される借入方法を選んだ場合は郵送ではなく窓口で直接受け取れないか相談してみましょう。
特に銀行カードローンはネット申込ができるものの、ローンカードは後日郵送されるため注意が必要です。