起業資金を借りるには、一番身近な親族や知人を頼ったり、国や金融機関から借りたりする方法が挙げられます。

しかし、借入方法によっては必要な時期までに必要な資金が集まらない場合もあるので注意しましょう。

結論から言うと起業資金を借りるのに最もおすすめなのは日本政策金融公庫です。
当ページでは日本政策金融公庫から起業資金を借りるメリットや、起業するジャンル別にどれくらいの資金を用意する必要があるのかなどについて解説していきますので是非お役立てください。

起業資金を調達する5つの方法

起業資金を借りるには、日本政策金融公庫、金融機関、制度融資、クラウドファンディング、親族や知人からという5通りの方法が挙げられます。

それぞれの借入方法の詳細について解説していきます。

日本政策金融公庫から借りる

日本政策金融公庫は政府が100%出資をしている金融機関で、国民生活事業、農林水産事業、中小企業事業を支援することを主な業務としています。
日本公庫という名称で呼ばれることもあります。

日本政策金融公庫ではさまざまな融資制度を設けていますが、起業資金を借りる場合には新創業融資制度もしくは新規開業資金を利用するケースが多いです。

新創業融資制度を利用できるのは、新たに事業を始める方または事業開始後で税務申告を2期終えていない方です。
新創業融資制度の融資限度額は3,000万円(うち運転資金1,500万円)で、担保や保証人は不要なのも魅力です。
ただし、新たに事業を始める方または事業開始後税務申告を1期終えていない方は、創業時において事業に使用される予定の自己資金が創業資金総額の10分の1以上確認できることも要件に含まれます。
なお、税務申告を1期終えている方や現在お勤めの企業と同じ業種の事業を始める方は、自己資金についての要件を満たしていると見なされます。

一方、新規開業資金を利用できるのは新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方です。
新規開業資金の融資限度額は7,200万円(うち運転資金4,800万円)で、担保や保証人については要相談となります。

新創業融資制度と新規開業資金の大きな差は融資限度額の金額なので、自己資金の要件を満たしていて企業資金で借りたい金額が3,000万円以内ならば、無担保無保証で借りられる新創業融資制度を選ぶと良いでしょう。

いずれにしても日本政策金融公庫は政府系金融機関ということもあり、民間の銀行よりも起業資金が借りやすく低金利なのがメリットと言えます。
ちなみに新創業融資制度の金利は2020年6月現在、年1.06~2.85%です。
さらに政府系の融資制度である日本政策金融公庫の審査に通過すれば世間的に信用力も得られて一石二鳥です。

銀行や信用金庫から借りる

銀行や信用金庫といった民間の金融金庫から起業資金を借りるのも一つの方法ですが、実は起業する方への審査は厳しめな傾向にあります。
なぜなら多額の起業資金を貸しても実際に事業が軌道に乗るかは分からず、返済が滞りなくされるかも信用できないため銀行側にとっては新たに事業を始める方にお金を貸すのは非常にリスクが高いのです。

特にメガバンクほど起業資金を借りるのは難しいと考えておきましょう。
しかし、地元密着の信用金庫や地方銀行では親身になって融資を積極的に検討してくれるケースもあるので、一度相談してみるのも良いです。

ただし、信用金庫や地方銀行で起業資金を借りる際には保証会社を付けることになるので、保証料が発生することを理解しておきましょう。

自治体の制度融資を利用する

制度融資は地方自治体、金融機関、信用保証協会の3つが協力して、中小企業や起業家、個人事業主向けに提供している政府系の融資制度の1つです。

申込者への融資を実際に行うのは金融機関ですが、自治体も金融機関や保証協会への補助をしているのが特徴です。

政府系と言うと日本政策金融公庫の融資と似ているように感じるかもしれませんが、制度融資の場合は自治体ごとに融資の内容が異なるのが特徴です。

制度融資は金利が年1%以下になるケースもあり、日本政策金融公庫の融資制度より低金利なのが魅力です。
さらに自治体によっては保証料を一部負担してくれたり、金利の一部を負担してくれたりすることもあり、非常に良心的です。

ただし、各自治体、金融機関、信用保証協会が連携していることで申し込みから融資実行までに2~3ヵ月程度かかる点に注意が必要です。

急ぎで起業資金を借入したいという希望がないなら、低金利なうえ手厚い助成が受けられる可能性が高いので、自分が居住している地域もしくは開業を予定している地域の制度融資の概要をまず確認してみると良いでしょう。

クラウドファンディングを利用する

クラウドファンディングは厳密に言うとお金を「借りる」のではなく「募る」ことになりますが、インターネットを通じて商品開発や新事業を立ち上げるために必要な費用を調達できるサービスです。
起業資金を集めるだけでなく、大多数の人に自身の事業内容を認知してもらえるのもクラウドファンディングの魅力と言えます。

クラウドファンディングには寄付型、購入型、金融型の3種類があり、それぞれ資金提供者へ何を返す(リターンする)のかが大きく違います。

  • 寄付型…リターンは不要
  • 購入型…自社の商品やサービスをリターンする
  • 金融型…収益に応じた配当金や債権を発行し利息をリターンする

日本では購入型のクラウドファンディングが最も広く利用されています。

寄付型や購入型なら金銭的なリターンは不要なことに魅力を感じますが、クラウドファンディングでは必要な時期までに目標の金額が集まらない可能性があります。
また、万が一プロジェクトが実行できなくなった場合には支援者に説明をし返金などの対応を行う責任があることに注意が必要です。

親族や知人から借りる

国の制度や金融機関からお金を借りるとなると利息がかかりますし審査を受けなくてはならないため、起業資金を借りる際には親族や知人を頼ることも検討してみましょう。

特に親族なら無利息で起業資金を貸してくれることもあるはずです。
また、親族や知人から起業資金を借りるならば、政府の融資制度とは違い自己資金がないまたは少ないといったケースでも起業資金を調達できるのも魅力です。

ただし、親族や知人から借入するならきちんと返済期日を決めておかないと、後々トラブルになり人間関係がうまくいかなくなるリスクを伴います。
知り合いだからと甘えずに、きちんと返済を滞らすことなく進めていくことを心がけてください。

起業資金を借りるのにおすすめなのは日本政策金融公庫

起業資金を借りるなら柔軟な審査をしてくれてなおかつ低金利というメリットを持つ日本政策金融公庫の融資を受けることをおすすめします。
もしも日本政策金融公庫の自己資金要件を満たしていなかったり、審査に落ちてしまったりした場合は、融資に時間はかかるものの日本政策金融公庫より金利が低い自治体の制度融資を検討すると良いでしょう。

親族や知人を頼るのも無利息かつ無審査で借りられる魅力はありますが、やはり返済に関して甘えが出てしまう可能性がありますし、借りる金額が多くなるほど金銭トラブルになりやすいです。
そのため、以下の順番で借入を検討することをおすすめします。

  1. 日本政策金融公庫から借りる
  2. 自治体の制度融資を利用する
  3. 親族や知人から借りる
  4. 銀行や信用金庫から借りる
  5. クラウドファンディングを利用する

続いて日本政策金融公庫のメリットやデメリットをまとめたので参考にしてください。

起業資金を日本政策金融公庫から借りるメリット

起業資金を日本政策金融公庫から借りるメリットは以下の通りです。

  • 新創業融資制度ならば無担保かつ無保証で借りられる
  • 融資額が幅広い
  • 審査が通りやすい
  • 融資までの時間が比較的短い

日本政策金融公庫の融資制度のなかでも新創業融資制度なら担保や保証人が不要なうえ最大で3,000万円という大金を借りることができるのが魅力と言えます。
また、申込から融資実行までにかかるのは約1ヵ月なので、スムーズに起業資金を調達できるのも嬉しいです。

起業資金を日本政策金融公庫から借りるデメリット

起業資金を日本政策金融公庫から借りるデメリットはほとんどないと言えますが、唯一挙げるとするならば自治体の制度融資と比べて金利がやや高めなことです。

とはいえ、日本政策金融公庫の年利は大体1~3%なので、金利が年5%を超えるケースもある民間金融機関やノンバンクで融資を受けるよりははるかに低金利だと言えます。
また、日本政策金融公庫では利率が変動しない固定金利を採用していることから、借入時の適用金利で返済を続けられるのが特徴です。

そのため、日本政策金融公庫は自治体の制度融資と比べて金利が高いものの、大きなデメリットにはなり得ないと断言できます。

起業資金にはどういった費用がかかるのか

起業する際は開業するための資金だけを調達すれば良いというわけではなく、事業を展開させていくうえで必要な広告費や運転資金の存在を忘れてはいけません。
なぜならせっかく起業資金を借りれたとしても、軌道に乗るまえに資金不足に陥ってしまう可能性があるからです。
また、利益が出るまでの間の自分自身の生活費を確保するため、予備の資金も計算しておくと安心です。

まず、開業資金とは具体的に店舗取得のための費用や設備を整える費用、改装費、商品の仕入れ費用などが含まれます。
続いて運転資金とは、人件費や店舗の家賃など事業を続けるうえで必要なお金です。
開業してもすぐに利益が発生するとは限りませんから、利益を得るまでに固定費を確保しておかなくては事業を続けられません。
また、世間に名を知れ渡るようにするためには名刺を作ったりホームページを作ったりする広告宣伝費も必要不可欠でしょう。

ただし、開業資金や運転資金、広告宣伝費はどういった事業をするかで大きく金額が変わるため、自身の事業内容に沿った見積もりを計算しておくようにしましょう。

起業に必要な金額の目安は業種で異なる

起業に必要な金額は事業内容によっても大きく変わるものの、日本政策金融公庫が行った2019年度新規開業実態調査では開業費用500万円未満というケースが最も高く、次いで500万~1,000万円未満が多いという結果が分かっています。
ちなみに開業費用の平均額は1,055万円で、調査開始以来最も少ない金額になりました。

日本政策金融公庫「2019年度新規開業実態調査」 

一部の業種で起業資金の目安をまとめたので参考にしてください。

  • 飲食店→100万円~1,000万円
  • 美容室→700万円~1,500万円
  • エステサロン→200万円~500万円
  • 税理士や司法書士などの事務所→50万円~600万円
  • WEBライターやブロガー→5万円~10万円

記載した業種のなかでも、従業員を雇うのか店舗を借りるのかなどによって必要な資金が変わりますが、店舗を構えて多数の従業員を雇用するケースが多い美容室や飲食店といったサービス業は起業資金が高額になりがちです。
一方で、従業員を雇うとしても少人数で済み、自宅兼事務所にできる税理士などでは起業資金は少なめに済みます。
また、ライターやブロガーなど、パソコンさえあれば自分だけでも仕事ができる業種であれば、起業資金はパソコン代やネット通信費くらいなので数万円程度で済む場合もあります。

自身がどういったジャンルやスタイルで起業したいのかによって必要な起業資金は変わるので、自己資金を踏まえていくらくらい借りれるのかを計算してみましょう。

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